2021年8月31日

【2021年度広島派遣】中学生派遣引率レポート

 私は、2021年度中学生広島派遣にて、平和事業推進市民会議の代表者として、中学生の引率をさせて頂きました。今年度も昨年度と同様に、新型コロナウイルス感染拡大を受け、広島平和記念式典に参列出来ないことから日程をずらし、89日から11日の3日間、広島で平和について学んで来ました。 

1日目は、呉市にある大和ミュージアムに行く予定でしたが、台風が広島を直撃していた影響で電車が運転見合わせになってしまったため、急遽平和記念公園とおりづるタワーに行くことになりました。

平和記念公園につくと、本来なら毎年ボランティアガイドの方が、公園内の慰霊碑などを説明しながら一緒に回ってくれていたのですが、新型コロナウイルスの感染拡大防止のため、ボランティアガイドの方が一緒に回ることが出来なくなったため、市長や企画課の方が説明してくださりながら公園内を散策しました。中学生が一生懸命、耳を傾けながら資料も見つつメモを取っている姿が印象的でした。さらに、質問も沢山しており、知ろうとする心構えを見てとることができました。

市長のお話を聞く派遣中学生

公園内を散策後、おりづるタワーに行きました。おりづるタワーでは、最上階にある展望デッキから平和記念公園と広島市街を見渡したり、折り鶴をおって「おりづるの壁」から投げ入れたりしました。そこでは、中学生達も平和記念公園の時の真剣な表情から、少しリラックスして、一緒に写真を撮ったりしている姿が見られました。1日目にしながら、皆仲睦まじい様子で、これは3日間充実した時間になると思いました。

 2日目は、早朝から多聞院というお寺に行き、毎朝815分に原爆投下の時を期して、慰霊と平和への祈りをこめて撞き鳴らされている鐘の音を聞きながら黙祷を行いました。鐘を鳴らしていた住職の方からお話も聞き、そして、11人鐘を鳴らさせていただき、中学生にとってなかなか無い貴重な経験が出来たのではないかと思いました。

その後、平和記念公園に戻り、原爆の子の像に折り鶴を奉納後、平和記念資料館にて被爆体験講話を聴きました。被爆者の方からは、原爆投下時の状況や、そのあとの悲惨な出来事を聞くことが出来ました。中学生達は、メモ帳を用意し、身を乗り出す勢いで、熱心に話を聞いていました。また、講話終了後に質問をしに行く生徒もおり、平和について学ぶことにとても意欲的であると改めて思いました。この講話は中学生にとっても印象的なものになったのではないでしょうか。

原爆の子の像に奉納した千羽鶴

被爆体験講話

さらに、講話後は、本川小学校平和資料館にも行きました。この本川小学校は、被爆当時のままその場所が平和資料館となっており、生徒にとっては広島に来て初めてみる、原爆の威力がどれ程のものだったのかを、理解することの出来る実物品だったのではないでしょうか。そのため、皆11つの展示品をじっくりと言葉を発することなく一生懸命見ていました。またひとつ心に残る場所になったと思いました。

本川小学校

午後は宮島に行き、世界遺産、厳島神社などを見学して、時間が足りなくなるほど楽しみながら過ごしていました。

3日目は、1日目に行けなかった大和ミュージアムに行くことになりました。

現地につくと、すぐに自由に館内見学が始まり、展示物を見たり、写真を撮ったり、メモをしたりと、戦争についてや当時の街の状況についてなど、とても意欲的に活動していました。

 今年も新型コロナ感染拡大を受け、平和記念式典にも参列することが出来ず、さらには平和記念資料館も休館になってしまい、残念に思う所もありました。

しかしそんな中、中学生達が自分から意欲的に平和や戦争についてしっかりと学ぼうと頑張っている姿を派遣中に幾度となく見ることが出来ました。

この機会は中学生達にとって忘れがたいものになると思います。

また、平和や戦争の事だけではなく、この派遣で出会うことができた12人の仲間を、これから大事にしていって欲しいと強く思います。

そして、その仲間と共にこれから行われる「平和の集い」やリレー講座等で、平和とはなにか、戦争とはどんなに酷いことであるのか、など彼らの視点から多くの人に伝えていってくれることを期待しています。

 

宮島にて

長くなりましたが、最後まで読んでくださりありがとうございました。

 平和事業推進市民会議委員 長塚 彩乃

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