2018年9月14日

【ご案内】 いしぶみコンサート

  811日手賀沼公園での平和祈念式典後に映画『いしぶみ』を上演しましたところ、我孫子市民の方から、同じ「広島二中全滅の記録」の朗読と合唱のイベントがあることをお知らせいただきましたので、このブログで広くご案内させていただくこととしました。

■第三回 合唱と朗読による いしぶみコンサート
 ・日時 : 2018930() 14時開演
 ・場所 : 日暮里サニーホール
 ・主催 : 広島県立広島観音高等学校音楽部OB合唱団 東京支部
   詳細については、以下のチラシをご参照願います。
クリックして、拡大表示できます

主催に名前のある広島観音高等学校というのは、旧広島二中のことです。
このコンサートをお知らせくださった方は、広島にゆかりのある方々が東京でも地道に活動しておられることを、多くの方に知っていただければ・・・と言葉を添えておられました。
 ご関心のある方は、ぜひいらしてみてください。

2018年9月8日

広島中学生派遣引率レポート

 こんにちは。我孫子市平和事業推進市民会議の小谷典子です。 平成24年度に派遣中学生として長崎に行かせていただいた後、今年の派遣中学生の引率として今回広島に行かせていただきました。 派遣の様子をレポートしましたので、お読みいただけると幸いです! (※思い入れが非常にあるために忘れる前に記そうと必死に書きましたら長文になってしまいました。)
1日目 85
 朝早くからけやきプラザ前に12名が集まり、今年の派遣団の赤いキャップが配られ、団長が派遣に行く抱負を述べてご家族、学校の先生方、市の企画課や平和事業に関わる皆さんにお見送りいただきながら出発しました。
出発式(けやきプラザ前)
  新幹線に乗る東京駅に向かうまでの電車の中で、既に仲良くなった中学生達は楽しげに学校や部活の事などを話していました。  東京駅から広島駅に向かう新幹線に乗るまでの間、日本全国から広島に行く小・中学生さんでホームが大賑わいで、全国で平和学習が重要視されている事を感じました。 東京駅から4時間ほどかけて広島駅に着くのですが、その間も2日目のインタビューの内容を考え、勤勉な様子でした。また、我孫子からご同行された方から折り紙の両面を利用する折り鶴の作り方を教わり、頭をフル回転して折っていました。  13:35、ようやく広島に着き心が躍るなか、中学生達は駅の目の前の路面電車に興味津々の様子でした。🚉📸 
 その路面電車で広島平和記念公園の見学へ向かいました。路面電車から見える道路に敷かれたレール、市内を流れる川をいくつも超える光景に本当に広島に来たんだと実感がわきました。 広島平和記念公園ではガイドさんのお話を聞きながら、原爆ドームをはじめ公園内に点在する沢山の碑について実際に見て触れて見学をしました。私が強く印象に残っている事は、広島平和記念公園の記念の字は、この場合よく祈念という表記になるのですが、祈りの字をあえて記すの表記にする事で、後世に残すという意味があるというお話でした。 また、手賀沼のほとりにアオギリの木がありますが、その親木の被爆アオギリも見る事が出来ました。🌿(是非皆さん手賀沼公園に行ってみてください‼ )
 2時間の外の見学を終え、休憩し、とうとう広島平和記念資料館の見学に入りました。原爆が落とされる前と後が分かりやすく映像で表現されたブースから、原子爆弾の歴史、被害にあった方々の衣服や生活用品、広島がどんな街だったかなどの展示を、国を超え様々な方々が真剣な表情で展示物を見ていました。私は、原子爆弾の被害が一目で分かる展示物の数々に心が潰されそうになり、どうしようもない過去の事実にやり切れなさと絶望感をいたく感じました。
 この絶望感は忘れちゃいけないものだと考えながらも、資料館からホテルに向かう間もどこか苦しさが続きました。
 市長さんとは夕ご飯のお食事屋さんで合流し、この日甲子園に出場した我孫子が地元、中央学院高校の試合のお話や元気な中学生の様子にとても盛り上がりました。

■2日目 86
 とうとう式典当日になり朝早くから平和記念公園に向かい、参列をしようとしたところ、溢れんばかりの人、人、人に驚きました。
 前日から公園敷地内には国内外からの観光や見学の方々から、アーティストやお経を唱えるお坊さん、様々な思想の方々もいらしていましたが当日はもっと増え、警備やマスコミもバッチリ配置され、世界が注目している事だと改めて感じました。
 式典のなか、広島市長や安倍内閣総理大臣などのお話を聞きながら、中学生の頃よりも発言の意味や難しさがわかるようになり、これから核に対して日本はどのような体勢で、行動をしていくのだろうかと考えるようになりました。今回派遣された中学生達が今の私の様に20歳ぐらいになったら核に対しての認識がどのような社会で、どのような考えを持っているのでしょうね。
 参列が終わると、原爆の子の像で我孫子の千羽鶴を奉納し、平和記念公園内の海外からの観光客にインタビューをしました。積極的に話しかけていたら地元広島の高校生に話しかけられたりして、交流が生まれていました。 
「原爆の子の像」前
 昼食は広島名物の広島風お好み焼きでした! 初めていただいた広島風お好み焼き、麺の存在がしっかり活きていて、私が今まで食べてきたお好み焼きと完全に違うもので、お好み焼きってなんだっけ…⁇と混乱するほど美味しかったです。 また、式典最中に嵐の櫻井翔君を見たという派遣中学生のお話で盛り上がりました😊
 盛り上がった昼食の後、広島国際展示場で広島市基町高校の創造表現コースの方々が描いた原爆や平和をモチーフにした作品や、被爆者の方から当時のお話を聞きながらその場面を描写したものなど、地元ならではの取り組みの作品が公開されていました。作品から伝わる当時の熱さ・痛さ・人々の受けた衝撃に息が詰まる思いでした。
 そのあと、被爆者の方の体験講話を拝聴しました。工場が崩れ、その瓦礫の隙間から友達と文字通り必死に這い出て、痛む身体に鞭打って動けない友達を担架で運ぶ間、亡くなり倒れた人々の合間を縫って裸足で走ると、倒れた人の皮膚が足に張り付くという話に、こんな事がこの世であっていいものかと衝撃を感じました。また、今生きている事を、自分のものでも他人のものでも命を第一にしてほしいというお話に、戦時中と現代では生活が一変し、人間関係や考え方も変わるなか、それでも大切にしなきゃいけないものとして心に留めておかなくてはいけないなと感じました。
被爆体験講話

 この後、爆心地から1番近い人小学校で、奇跡的に鉄筋コンクリートだった校舎が残った本川小学校平和資料館に向かいました。現在、耐震基準に則り残っている校舎が補強され、平和資料館となっています。 当時は新しい校舎で西洋を取り入れたお洒落な窓枠などが今でも残されていますが、学校の配電盤が焼け焦げ、黒くなった壁には元気な子どもの姿はとても想像できないものでした。お話で、戦争で夏休みにまだ入っておらず、当たり前の様に学校に来ていた子どもは殆ど亡くなり、86日は奇跡的に無傷でいた児童も高濃度の放射能で苦しんだ後に亡くなった事を聞き、沢山の子ども、親御さん、家族の人な悲しみに暮れた事がよくよく感じ取れました。
 その後に夕ご飯のお弁当をいただき、どこまでも体力がある中学生がおかわりをもらう姿に微笑ましく思いながら、灯籠流しの灯籠にメッセージを書き、元安川に向かいました。

 元安川と本川は、平和記念公園を型どる形で公園の両脇を流れています。そして、元安川と本川が本流から別れるT字の橋が、原爆落下の標的になった相生橋になるのです。
灯籠流し
 元安川に向かうと朝に劣らぬ人の多さに驚きましたが、灯籠流しは平和の象徴の1つとして、祈りの行為が観光になっている様子が印象的でした。中学生達はなかなか自分達の灯籠が川の中央に流れず心配そうな様子でしたが、橋の上から見た時にとても綺麗な灯籠の流れに様々な角度や向きからカメラを構えていました。  前日から見学したり原爆の話を聞きながらずっと歩き、体力的にも精神的にも疲れているであろうなか、ホテルで反省会もしっかりし2日目が終了しました。
 
■3日目  87
 前日の夜の某ニュース番組で櫻井君広島から中継やってた!しかも式典中の映像の後ろに私達映っていたんですよ‼‼と朝から楽しいお話を聞きました。
 最終日は袋町小学校、広島城を見学し我孫子に帰るという日程でした。
 袋町小学校は西校舎が本川小学校と同じように鉄筋コンクリート造りの校舎で、当時の校舎が資料館として保存されています。
 この資料館の特徴は、この校舎自体に書き残された、当時の子どもを探す親御さんの直筆の伝言や先生の伝言などが壁や柱に残されているというものです。地名や文字・文の表記に時代を感じますが、「どうか自分の子どもが見つかりますように。誰か何でもいいから情報をください」という強い悲痛な願いが今でも息づいているように感じました。
壁に残された伝言(袋町小学校)
 続いて訪れた広島城は、広島がどの様な歴史を経てきたのかという資料展示から、お姫様・殿様・武将の格好が出来るブース(勿論着用していました👍)、本物の兜・甲冑・刀剣など様々な武具まで展示されていてとても見応えのある本丸を見学し、天守閣からは緑豊かな街並みや、お堀の鯉(広島カープの由来らしいです🎏)、前日作品を拝見した基町高校が見えたり(ガラス張りで近代的な駅みたいなつくりな県立高‼)と、広島らしいゆとりある近代的な街並みが一望できました。また、本丸の下頑張ってインタビューをする中学生達が見えました😊お城を出て様子を見ると、反省会で市長・教育長からのご助言によりインタビューも広島城に合わせ、前日の内容と変えて話をするなど工夫していました。
 時間ギリギリまで勇気を出してインタビューし、女子は魔貫光殺砲の写真を撮ったあと教育長からアイスを🍦みんなでいただきました。(実は3日間休憩の度にご馳走になってしまいました…)


 暑さを美味しく凌いだあと、広島駅に向かいお土産やお昼を探し、新幹線に乗りました。
 女子男子とそれぞれ席を向かい合わせにし楽しげにしていました。側から見ていて、日を追うごとにもう何も仲間として気負うものがないと言わんばかりの仲の良さに成長しました。多分、ここまで読んでくださった方ならそれは分かると思います。
 我孫子駅につき、けやきプラザ一階には派遣中学生のご家族や市の企画課さんなど、この派遣事業に関わった皆さんが待ってくださっていました。団長がここ1番の挨拶をした後も、みんな仲良くってなかなか帰らないという具合に本当にあったかい雰囲気で3日間の任務を遂行しました。

◆ 

 私の実体験として、派遣中学生の仲間はこれからリレー講座や平和事業で顔を合わせ、発表をしていく中でお互いの良さがもっと分かると思います。この3日間で学んで感じた事、大切にできるメンバーだと思います。是非これからリレー講座や平和事業でそれぞれの表現で力を貸してくれたら嬉しいです 私も今年は大切な、素敵な夏になりました!
 大変な長文、お読みいただき有難うございました‼‼

原爆ドーム前で