2015年9月28日

【本の紹介】 14歳 <フォーティーン>

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書 名 14 <フォーティーン>
著 者 澤地久枝
出版社 集英社(集英社新書)
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この本は、今年の6月に出版されました。
この本に登場する「少女」は、著者である澤地久枝さん自身。
少女は、終戦を満州(中国東北部)の吉林で迎え、一年間の壮絶な難民生活を経てようやく、一家で日本に引き上げました。 

14歳になった「著者の弟の孫」に、戦争とはどういうことかを伝えたいと思ったことから書いたというこの本の最後に、著者は以下のように書いています。 

戦争の歴史がくり返されることはたえられないと思う。
十四歳の子のために、七十年前に十四歳であった少女の物語を書こうとした。そこを出発点にして、血のつながるひとたちが、どんな戦争の時代を生きたか、語ってゆこうとした。
しかし、思いは伝わっただろうか。  
 ・・・・・・・・・・
しかし遠い日の戦争が、つぎの世代の不幸にむすびついていることをいま、わたしは気づいた。
老いのくりごとではない。
少年に、わたしはもう一度話をする。この本を書いたことが、無意味にならないことに希望をつないで。 

満州事変(1931)以降、およそ30万の日本人が満州開拓移民として、満州、内蒙古、華北に入植。終戦直前ソ連参戦時に取り残され、ソ連に捕えられてシベリアに抑留された人、引き揚げの途上で命を落とした人も数知れず、無事日本に帰国しても国内の生活基盤を失っていたために辛酸を舐めた人が少なくありませんでした。
4歳で家族とともに満州に渡った著者の思春期も、戦争によって大きく踏みにじられました。
戦中体験を今の若い世代に伝えることは「ほとんど不可能に近い」と感じながら、「満州から引き揚げてきた十四歳から十五歳の日々をいま、書いた方がいいようにおもうようになった」という著者。
引き継ぐべき世代である私たちは、しっかりと耳を傾けていきたいと思います。
 
(我孫子市平和事業推進市民会議 恒)

2015年9月13日

偵察機で臨んだ太平洋戦争の日々(田中三也さんにお話を聞く)後編

7月に続いて『彩雲のかなたへ -海軍偵察隊戦記』の著者である田中三也さんに、戦争体験談を伺いました(前編は7月29日の前編記事を参照下さい)。
戦況が厳しくなる中、トラック島から潜水艦で帰国した時の様子や、フィリピンで特攻志願したことなど、あの戦争の凄まじさを知る上で大変に貴重なお話でした。 



星野我孫子市長と田中三也さん
インタビューが終わり別れ際に、田中さんは微笑みながら「戦争は、本当に嫌なものです。絶対に起こしちゃだめですね」と一言おっしゃいました。実際に戦争を体験した重みを持ったその笑顔がとても印象に残りました。 
 



五甲飛 空ゆかば
田中さんが、「五甲飛 空ゆかば」という本を我孫子市に寄贈くださいました。 
この本は、田中さんが所属されていた海軍第五期甲種飛行予科練習生(五甲飛)の生存者たちが綴った手記をまとめた本で、五甲飛の生存同期生・遺族に配布することを目的として編まれた本であり、一般書店では販売されていないものですが、田中さんが「多くの方に読んでいただきたい」とのおもいから我孫子市に寄贈くださいました。近く、我孫子市民図書館の蔵書となりますので、是非、ご覧になってください。


2015年9月6日

佐々木禎子さんの折り鶴が我孫子市に寄贈されます!

原爆の子の像の前の派遣中学生(86日)


広島平和記念公園の「原爆の子の像」のモデルとなった佐々木禎子さんが病床で折った折り鶴(サダコ鶴)が、禎子さんの甥である佐々木祐滋さんから我孫子市に寄贈されることとなりました。 


「サダコ鶴」は、これまでに沖縄市や長岡市(新潟県)、郡山市(福島県)、ハワイ、ブラジルなどに寄贈されています。 
 



我孫子市への寄贈は、12月6日に開催する広島派遣中学生報告会で行われる予定です。
寄贈された折り鶴は、アビスタ内に設置する専用ケースで常設展示されます。 
 

 



2015年9月4日

宮角孝雄写真展“GROUND ZERO 平和の祈り 2015”を開催します


広島県庄原市生まれの写真家 宮角孝雄(みやかく たかお)さんの写真展を開催します。宮角さんはご自身被爆2世で、「原爆を知ろうとするのに、能書きはいらない。ただこの写真を見て、訴えるものを感じてほしい。(宮角さんホームページより)」と広島・長崎の写真を15年間撮り続けておられます。
以下のサイトをご覧ください。宮角さんが原爆ドーム前などで撮影された作品の多くを見ることができます。
 


 宮角さんは、ご自身のホームページに以下のように書かれています。

被爆の当事者である祖父や父から話を聞いたせいか、
私は原爆ドームに対してどこか恐ろしい思いを抱いていました。
しかし、1990年頃に撮影した、わが娘が原爆ドームの前に立っている写真を見たとき、そこに平和へのメッセージを感じたのです。
こうしてヒロシマでの撮影を始めました。
 

今夏8月5日から7日までの日程で広島を訪れた我孫子市内の中学生24名も、原爆ドームの前で宮角さんにお会いし、写真を撮っていただきました。中学生たちも、世界中の多くの人たちとともに、【GROUND ZERO 平和の祈り】に連なることができました。
 
 
宮角孝雄さんご本人から、このブログに以下のようなメッセージをいただきました。
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今年、我孫子市は平和都市宣言をされて30年になり、日本は「被曝(広島、長崎)」、「不戦」共に70年になります。
2013年8月6日、暑い原爆ドームの前で平和学習されていた12人の中学生に写真撮影をお願いいたしました。それが我孫子市とのご縁で、今回の写真展が実現しました。この節目の年に、『GROUND ZERO平和の祈り2015』写真展を行うことができ、大変嬉しく思います。
写真は、被曝地をバックに撮影する、平和のポートレイトです。
世界の中では現在も戦争やテロは、無くなりません。
70年間も平和を続けた日本が先頭になり平和を追求しなければいけないと思います。
皆さんと一緒に平和を考え行動していきたいと思います。
宮角孝雄
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【宮角孝雄写真展 “GROUND ZERO 平和の祈り 2015” 】は、以下の通り開催します。
是非ご来場ください。

■会  期: 2015918()930()
■時  間: 18日のみ  13001800
 19日~30 10001800
■開催場所: あびこ市民プラザギャラリー
■入場無料

2015年9月1日

【戦後70年・我孫子市平和都市宣言30年記念誌】の原稿を募集します!

我孫子市では戦後60年、65年の節目の年に平和を願う記念誌を作成してまいりました。

これまでの記念誌は、戦争・被爆を体験された方々、平和事業の広島市・長崎市派遣(平和記念式典等)に参加した市内中学生の体験、市内小中学生の平和を願う作文などを掲載し、市民の皆様に配布、我孫子市ホームページにも掲載しております。
 
戦後70年・我孫子市平和都市宣言30年にあたる本年も、平成283月頃の発行を目指して記念誌を編集・発行します。
この記念誌に、ぜひとも多くの方々からの投稿をいただきたく、以下にご案内致します。


■  記念誌原稿募集


1. テーマ
  ・ 次世代に伝えたい戦中・戦後の体験
  ・ 戦争と平和について思うこと

2. 対象
  我孫子市内在住・在学の方
  筆記困難な方には、ボランティアによる聞き取りを
    させていただきます。(要連絡)

3. 応募方法
  原稿字数 : 2,000字以内
  応募期日 : 平成27930() 必着
  応 募 先 : 以下のいずれか宛にお送り願います。
           ・郵 送     270-1192
                 我孫子市役所企画課
                                              (我孫子市平和事業推進市民会議 事務局)
           ・FAX  04-7183-0066
           ・メール    sengo70@city.abiko.chiba.jp
   応募時には、氏名(ふりがな)、生年月日、住所、電話番号を明記のこと
   問合せ先 : 04-7185—1426(我孫子市役所企画課直通)

4. その他
  聞き取りボランティア(市内在住・在学の方)を募集します!
  ご協力いただける方は、731()までに我孫子市役所企画課
  (04-7185-1426)にご連絡ください。