書 名 父と暮せば
著 者 井上ひさし
出版社 新潮社
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-【映画】-------------------
出 演 宮沢りえ
原田芳雄
浅野忠信
監 督 黒木和雄
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戯曲の作者は、「ひょっこりひょうたん島」や「吉里吉里人」の作者である井上ひさし。広島に暮らしていた父娘の被爆後を描いています。
映画では、娘を宮沢りえさん、父を原田芳雄さんが演じています。
原爆がどれほど人々の暮らしと心を踏みにじったかが描かれていますが、映画を観て印象に残るのは、宮沢りえさんの広島弁の語り。
広島に限らずどこの地方のことば(方言)であれ同じだと思いますが、ことばには、そこに根づいて暮らす人たちの生活の歴史とそこから滲み出る情感が込められています。宮沢りえさんの広島弁にはそんな情感が強く感じられ、たいへん心に沁みます。
原爆はそうしたことばで暮らす人たちの生活の歴史を断ち切り、心を踏みにじっていったのだということが、読む者、観る者の記憶に刻み込まれる作品です。
井上ひさしの原作なので、筆致はむしろユーモアに溢れています。だからこそなお、原爆が何をもたらしたのかが、却って忘れられないメッセージとして伝わってきます。
広島弁に馴染みのない方は、映画を観てから戯曲を読むと、紙面の広島弁から広島に暮らしていた人びとの情感が一層伝わってくるかもしれません。
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今年の12月に、山田洋次監督の「母と暮せば」という作品が公開されます。
広島、長崎、沖縄を描いた作品を残したいと考えていた井上ひさしの遺志を引き継いで、
長崎をテーマに、「父と暮せば」のシチュエーションをなぞって製作されているようです。
出演は、吉永さゆりさん(母役)、二宮和也さん(息子役)。
戦後70年に、山田洋次監督が長崎を舞台に描くこの作品も、是非観たいものです。
■「母と暮らせば」公式サイト http://hahatokuraseba.jp/
(我孫子市平和事業推進市民会議 恒)
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