2016年7月6日

【本の紹介】長崎 旧浦上天主堂 1945-58 失われた被爆遺産

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  書 名 長崎 旧浦上天主堂
      1945-58 失われた被爆遺産
  写 真 高原 至
  著 者 横手 一彦
  英 訳 ブライアン・バークガフニ
  出版社 岩波書店
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長崎浦上地区は、16世紀半ばザビエルによるキリスト教伝来以来カトリック信者の多いキリシタンの里でした。江戸末期から明治初期にかけては「浦上四番崩れ」と呼ばれる大規模なキリスト教徒迫害事件が発生、3000人余りの人びとがこの地を追われ、配流先でも過酷な弾圧を受けました。

浦上天主堂は、爆心地から約500
この事件は、英米等列強からの激しい非難を招き、不平等条約改正という大きな課題を背負っていた明治政府は、ようやく1873(明治6)になってキリシタン禁制を廃止、配流されながら生きながらえ帰郷した人びとが、1879(明治12)に浦上の地に小聖堂を建てました。
さらに父祖の信仰と苦難の記憶を受け継いだ人びとは、資金と労力を出し合い、1895(明治28)から30年かけて、1925(大正14)に浦上天主堂を完成。完成した赤レンガ造りの浦上天主堂は、当時東洋一といわれるほど大きく立派な教会でした。
194589日、米軍機が投下した原爆「ファットマン」は、この浦上天主堂を、原形をとどめぬまでに破壊したのです。浦上地区のカトリック教徒12000人のうち、8500人が被爆死したと言われています。浦上の人びとは、この悲劇を「浦上五番崩れ」と呼びました。 

ここで紹介する「長崎 旧浦上天主堂 1945-58 失われた被爆遺産」という本には、かろうじて残った浦上天主堂の外壁の一部が、被爆後13年間この地に立ち続け、浦上の人びとの生活の中に根付いていた姿と、19583月に至って、その外壁が天主堂再建のために解体撤去される過程を、写真を通じて伝えています。

黒く焼け焦げた聖母像、使徒聖ヨハネ像、聖アグネス像の姿、仮鐘楼に据え付けられた「長崎の鐘」、外壁前の花嫁、残墟前で遊ぶ子どもたち、鐘塔をスケッチする男子生徒。
原爆によって無残な廃墟となっても、浦上の人びとの生活の奥深くに根付いていた旧浦上天主堂の重みを、私たちも垣間見ることができるように思えます。 

この本は、我孫子市民図書館に蔵書があります。
写真集としてページをめくるだけでも、それを見る人の心に届くものがあります。 

(我孫子市平和事業推進市民会議 恒)

2016年7月5日

派遣中学生リレー講座 : 6月25日湖北小学校

 我孫子市は、平成17年から毎年被爆地広島・長崎に我孫子市内中学生代表を派遣しています。昨年、戦後70年平和事業の一環として、これまで広島や長崎に派遣され、現在では社会人・大学生・高校生となった当時の派遣中学生による市立小学校全校でリレー講座を開催し、各校の小学6年生と平和について一緒に考える取組みを実施しました。
「ぜひリレー講座を続けたい」という声が昨年参加したもと派遣中学生たちからあがり、今年も市内小学校でリレー講座を開催することとなりました。
湖北小学校で625()に開催されたリレー講座を、平和事業推進市民会議の磯部栄治さんが見学され、その様子をレポートしてくださいましたので、以下にご紹介します。
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広島・長崎派遣中学生による平和の授業「リレー講座」 

625日に湖北小学校で行われた、リレー講座を見学しました。
6年2組の授業では、講師の小谷典子さん(H24年度派遣・現在高校3年生)が語り始めます。広島・長崎に落とされた原子爆弾の脅威や恐ろしさを、自分が現地に行って体感した言葉で。子供たちは自分たちとそう年も離れてないお姉さんから聞く原爆の話に、静かに聞きいっていました。みなしきりにメモを取っていました。 

講師が被爆した小学生の詩を3つ朗読しました。
教室に静かに力づよく響く声が、子供たちの中にすっと入っている気がしました。
「原爆は大人も子供も動物も関係なく傷つけ奪っていくのです。」
小谷さんの声の響きは大人をも納得させるものでした。
「今は平和ですか?」の問いかけに、平和だと感じる人、平和じゃないと感じる人の、意見が発表されましたが、「殺人や自殺があるので、平和じゃないと思います」との声に子供たちも不安を抱いていると感じました。

最後に「平和な世の中にするために今日から自分ができること」を班に分かれて話あい、それぞれが葉っぱを型どった紙に一生懸命に書いてました。
 

広島・長崎へ行った中学生が、高校生・大学生となって地元の小学生へ思いを伝える、まさにリレー講座だと、あらためて素晴らしい内容に感動しました。
今回、保護者の参加の方は少なかったですが、もっと多くの保護者の方にも聞いて欲しいと思いました。
平和を繋ぐ大切な活動だと感じました。