本日は2024年 市内中学生の平和学習の様子を、引率者の目線でご報告いたします。
今年は参加中学生の人数も多いため、引率者も3人に増員しました。それぞれの目線で3回の更新を行います。
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我孫子市平和事業推進市民会議委員の根本茜梨です。今年度は8月5日から8月7日にかけて市内16名の中学生が広島へ派遣されました。私自身、平成30年度に派遣中学生として広島を訪れて以来2度目の広島で、今回は引率者として同行させていただきました。本ブログでは、その3日間の様子をご報告させていただきます。
1日目(8月5日)
朝早くから行われた出発式では団長が決意表明をし、星野市長からもお言葉をいただきました。市役所や市民会議の方、学校の先生など大勢に見送られ我孫子を出発しました。
朝の電車は出勤の方も多く、班ごとに電車に乗り込み新幹線が出ている東京駅へと向かいます。少し緊張しながらも、質問しあったり声をかけ合う様子が見られました。
新幹線に乗るとだんだんと雰囲気が和み始め、クイズを出し合ったりカードゲームをしたりと仲を深めていました。また、2日目に行われる平和記念公園の来場者に向けたインタビューの質問項目を話し合い、意見を出し合っていました。
広島へ着くと、我孫子とは違う暑さが感じられました。旅の最初の目的地は平和記念公園。中学生は初めて見る路面電車に目を輝かせていました。原爆の恐ろしさを伝えていくシンボルである原爆ドームを目の前に、79年前のあの日、ここで何があったのかを改めて感じ、じっと見つめる中学生の姿がありました。その後、爆心地である島病院を訪れると、ガイドの方が特別にお話を聞かせてくださり、原子爆弾の詳細を教えていただきました。また、原爆死没者慰霊碑に向けて手を合わせました。
次に被爆体験講話として、佐渡さんという7歳で被爆された方からお話を聞かせていただく機会がありました。佐渡さんは妹さんと外遊びをしていた際に被爆し、原爆で御家族を亡くされました。辛い経験をされた中でも、原爆が投下されたという事実を語り継ぐために100歳まで頑張っていくと仰っていました。中学生は被爆者の方の貴重なお話に耳を傾け、真剣に向き合っていました。戦争体験者が減っていっている中で、直接お話を聞く機会は多くありません。
この経験を大事に、今後に活かして欲しいなと思いました。また、佐渡さんが最後に教えてくださった平和の原点は「心と心の触れ合い」です。自分の心も相手の心も大切に生きていくことの重要性を、改めて感じられました。
1日目の反省会では、初めて現地を訪れて感じた、メディアを通して見るのとは違う新たな感情を教えてくれました。
2日目(8月6日)
2日目は平和記念式典に参列することから始まりました。各国から大勢の人々が集まり、戦争で苦しまれた全ての人々へ黙祷を捧げ、平和への誓いが述べられました。 式典後は、佐々木禎子さんがモデルになった原爆の子の像へ行き、千羽鶴を奉納し、平和記念公園を訪れていた方へインタビューを行いました。実際に戦争を体験された方や戦争を知らない若い世代、また外国の方にも英語を使ってインタビューをし、様々な年代の声を聞くことが出来ました。
次に平和記念資料館を見学しました。実際に被爆した物や、当時の写真、亡くなった方の遺品の前を動かずじっと見つめる姿勢が印象的でした。訪れた方が自由に気持ちや感想を共有できるノートには、「自分の大切な人に今すぐ会いたい。」という言葉が記されており、当時の人の気持ちを思うとなんとも言えない感情になりました。
その後はおりづるタワーへ行き、折り鶴を折っておりづるの壁へ投下しました。そして、広島城では日本の歴史に触れ、最上階から広島の街を見下ろすことが出来ました。
2日目の反省会では、1日目の反省点を活かし積極的に発言する様子が見られました。「戦争がないことが平和だと思っていたけれど、インタビューを通して、平和だと思うことは人それぞれ違うということに気づいた。」「私たちの当たり前の日常は当たり前じゃなかった。」と、自分たちなりに見つけ出した答えを共有し合っており、内容の濃い話し合いが行われていました。
3日目(8月7日)
3日目は多聞院を訪れました。多聞院の鐘楼は爆心地から最も近い木造建築として大切に保管されています。住職さんから当時の様子や、なぜ毎日鐘を鳴らしているのかというお話を聞き、中学生も平和への思いを込めて鐘を鳴らさせていただきました。
鐘にはローマ字で「NO MORE HIROSHIMA」という文字が記されており、この事実を忘れないため、忘れさせないために、派遣中学生としてできることを考えて行かなければいけないと強く感じました。
次に2日目に続いて平和記念資料館をもう一度見学し、本旅の最終目的地である本川小学校へと向かいました。本川小学校ではガイドの方が詳しく説明して下さり、3日間を通して得た知識を元にガイドさんの問いかけに答えたり、気になることを質問する様子が見られました。自分たちよりも幼い子どもたちがどのように被爆し、どのように復興に向けて立ち上がっていったのか。そして、その当時復興に向けて頑張ってくれた人がいるから今の私たちの生活があるということを感じてくれたのではと思います。
3日間の派遣に同行させていただき、派遣中学生はもちろん、私自身も学びが深まる3日間を過ごすことが出来ました。実際にその地を訪れることで、平和に対する考えや、派遣中学生としてこれから自分たちに何ができるのか、また、今自分たちがどれだけ平和に暮らすことができているのかを感じてもらうことができたのではないかと思います。当時14歳だった私が、派遣に行ったことで平和への意識が変わり、次世代に繋いでいきたいと思ったように、今年度の中学生にも派遣に行く前とは違う、何か新しい感情が芽生えてくれていれば嬉しいです。本年も派遣事業を行うにあたり、ご尽力してくださった全ての方々に感謝申し上げ、派遣の報告とさせていただきます。
平和事業推進市民会議 根本茜梨
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