2024年12月21日

中学生広島派遣報告(その1)

本日は2024年 市内中学生の平和学習の様子を、引率者の目線でご報告いたします。

今年は参加中学生の人数も多いため、引率者も3人に増員しました。それぞれの目線で3回の更新を行います。

---------------------------------------------------------

 我孫子市平和事業推進市民会議委員の高須万悠香です。私は平成29年度に広島派遣中学生として派遣に参加したことがきっかけで我孫子市の平和事業に携わるようになりました。そして今回、令和6年度広島派遣中学生に随行いたしましたので、3日間の様子をレポートしたいと思います。


1日目は、出発式のあと、広島への移動から始まります。最初は緊張していた様子の派遣中学生も、新幹線での時間を通して、打ち解け、仲が良くなったようで安心しました。


広島につくと、まずは平和公園の見学です。まだ戦争やその被害について具体的なことは教わらないまま、初めて、実際に原爆ドームを見る派遣中学生たち。事前に学習してきた内容と照らし合わせて、原爆の仕組みについて考察するなど、「なにかを学ばなくてはいけない」という彼らの使命感を感じる時間でした。




続いて、被爆体験講話を聴講しました。実際に被爆された方のお話を聞くのは、とても貴重な体験です。派遣中学生にとっては、初めて知ることもたくさんあったと思いますが、熱心に話を聞き、メモをとっていました。当時、やけどでとても熱いのに、お水が飲めなかったこと。生きているのか死んでいるのかわからない人を全て火葬していたこと。知識ではなく、実際に1人の人が経験した体験を聞いたことで、中学生の目の色が変わったのを感じました。


2日目は、まず、平和記念式典に出席しました。派遣中学生は、海外からもたくさんの人が来ていたことに驚いたそうです。そこで、グループに分かれてのインタビューでは、海外から広島を訪れた方にもお話を聞きました。初めて会った人に話しかけることも大変なことですし、英語で話しかけるとなればもっと緊張したと思いますが、様々な人の平和への想いを聞きたいという気持ちで、頑張っていました。


その後、平和記念資料館1回目の見学を行いました。派遣中学生は、前日に聞いた被爆体験と資料を照らし合わせたり、手紙や絵をじっくり見たり、それぞれに興味があることについて考えを深めているようでした。



平和記念資料館見学のあとは、おりづるタワーと広島城の見学をしました。このふたつの場所からは、復興した現在の、素敵な広島の風景を眺めることができます。同時に、ここから見えるほとんどの場所が焼けてしまった悲惨な過去についても考える時間でした。平和の願いを込めて、「おりづるの壁」へおりづるの投入も行いました。



2日目のおわりに、派遣中学生は「平和とはなにか」というテーマで話し合いを行いました。様々な人からお話を聞いて、資料を見て、平和とはひとつの答えがあるものではなく、育った環境やその人にとっての日常によって変わるものだと考えるようになった派遣中学生。だからこそみんなと話し合ってみたいと、自分たちでテーマに設定しました。「戦争がないこと」「おびえないで生きられること」「自分らしく生きられること」「当たり前が当たり前にあること」「大切な人が急にいなくならないこと」「助け合って笑顔でいられること」など、様々な意見がでました。1日目は少し遠慮がちに話していた中学生ですが、2日目はひとりひとりが自分の意見を伝えることができました。


3日目はまず、多聞院を見学しました。見学した日と同じようにお天気の良い朝、人々が今日を始める準備をしている時間に、爆弾が落とされ、町は全焼しました。そのことを考えながら、鐘を鳴らし、町を眺め、様々なことを感じました。


次は、2回目の記念資料館の見学です。自分の知りたいことが分かるように、それぞれがじっくりと資料を見ていました。


広島で最後の見学は、本川小学校平和資料館です。実際に被爆した校舎のなかで当時の子ども達に関するお話を聞きました。


派遣中学生は3日間を通して、目を背けたくなるような事実にも真摯に向き合い、たくさんのことを学び、考えてくれました。そして私自身も、たくさんのことを学ぶことができました。


改めて、私たち派遣中学生にこのような学びの機会を与えてくださった市長・教育長・市職員の方々をはじめ、派遣事業にご協力いただいた全てのみなさまに、心から感謝を申し上げます。


みなさまが繋いでくださった縁のおかげで、私たち派遣中学生は平和事業に取り組むことができます。これから、令和6年度派遣中学生とともにリレー講座等の活動をすることがとても楽しみです。


平和事業推進市民会議 高須万悠香

0 件のコメント:

コメントを投稿