ここで紹介するのは、広島で被爆した人たちの詩を朗読した「第二楽章」と長崎で被爆した人たちによる詩を朗読した「第二楽章/長崎から」の二枚です。
CDは、「ちちをかえせ ははをかえせ」で始まる峠三吉の『原爆詩集 序』を抑えた静かな声で読む吉永小百合さんの朗読で始まります。
原爆詩人である栗原貞子さんの「詩:生ましめんかな」は、原爆投下の夜に避難していた壕内で産気づいた妊婦の赤ちゃんを、同じ壕内に居合わせた産婆が自らも負っていた重傷をかえりみることなく取り上げた後、息を引き取っていくという内容。原爆投下の夜に、自分の命に代えて、新しい命を「この世に生ませよう!(生まれてほしい!)」と願った産婆の最後の気高い願いに、胸を打たれます。
こちらのCDでは、「この子を残して」、「長崎の鐘」などの著作で知られる長崎医科大学の永井隆博士の次女である筒井茅乃さんの「娘よ、ここが長崎です」が朗読されています。茅乃さんは、被爆により骨片しか残らなかった母のこと、被爆により重傷を負いながらも被曝者の救護にあたり、また原爆の記録を多く残した父のことを、深い愛情と悲しみをもって綴っています。
どちらのCDのジャケットも、「となりのトトロ」など多くのジブリ作品で美術監督をつとめた男鹿和雄さんが描いています。
美しい絵のジャケット、美しい音楽の流れるCD、そこで朗読される詩には、人間性を踏みにじる原爆の許されない事実と、肉親を失った人々の悲しみ、そして吉永小百合さんの平和への強い願いが込められています。
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上記のCD二枚は、我孫子市民図書館にて借りることができます。
※ 吉永小百合さんは、詩の朗読「第二楽章」として、上記のほか、「第二楽章 沖縄から」、「第二楽章 福島への思い」も発表されています。
(我孫子市平和事業推進市民会議 恒)
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