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書 名 ひめゆりの沖縄戦
– 少女は嵐のなかを生きた
著 者 伊波園子
出版社 岩波ジュニア新書
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沖縄戦は、住民(非戦闘員)を巻き込んだ国内戦であり、多くの住民が犠牲となりました。当時、大本営は「沖縄戦闘は本土戦備のために時間を稼ぐ持久戦である(1945年1月)」と位置づけていたと言われます。
そんな中、1945年4月1日アメリカ軍は沖縄本島中西部に上陸。それから6月下旬までの約3ヶ月、南に逃れて行った日本兵、ひめゆり学徒隊、そして住民たち。ひめゆり学徒隊には、前線にありながら6月18日に解散命令が出されており、指揮系統を失った彼女たちは、米艦からの艦砲・戦車からの迫撃砲を避けつつ、少人数のグループ単位で死線をさまよい、島の最南端荒崎にたどり着きます。
この本を書いた伊波園子さんは、荒崎の岩場で足に銃弾を受けた直後、米兵に保護されますが、そのすぐ近くの岩場では、第一高等女学校の教師一名と生徒九名が、手榴弾による集団自決で命を落としました。
看護要員として動員され犠牲となったひめゆり学徒隊は136名。彼女たちは、現在であれば中学生から高校生にあたる年齢でした。この本の表紙にある少女のシルエットを見て、「うちの娘に似ている!」と思ったお父さんも少なくないのではないでしょうか。
この本は、岩波ジュニア新書の中の一冊です。ひめゆり学徒隊の当時と同じ年齢世代の人たちに読んでほしいということだと思います。
当時十代だった元ひめゆり学徒隊で、現在ご健在の方々も既に八十代になっておられます。ひめゆり学徒隊の事実、若い人たちに伝えていかなければなりません。
(我孫子市平和事業推進市民会議 恒)
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