2017年8月30日

【本・映画の紹介】いしぶみ ―広島二中一年生全滅の記録

-【本 】----------------------
書 名      いしぶみ
編 集      広島テレビ放送
 出版社      ポプラ社
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-【映画】--------------------
タイトル いしぶみ
出 演      綾瀬はるか
監 督      是枝裕和
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194586日午前815分、建物解体作業のために本川土手に集合していた旧広島県立広島第二中学校(現広島県立広島観音高等学校)の生徒321名、教師4名の頭上で原爆が炸裂しました。この場に集合していた全員が命を失いました。爆心地から500メートルほどの距離でした。
広島テレビは、この生徒321名の最期の様子を、その朝出掛けていく息子を送り出した親たち、原爆が落とされた広島市内に息子を探し、自宅に連れ帰ってその最後をみとった親たち、いくら探してもわが子を見つけられなかった親たちなどに丹念に取材し、1969年に広島市出身の女優杉村春子さんが、遺族の証言や生徒の最期の記録を朗読するテレビ番組として放送しました。その記録が1970年初版として刊行され、何度も版を重ねているのが、この「いしぶみ」という本です。 

そして2015(戦後70)、杉村春子さんに代わって、同じく広島市出身の女優綾瀬はるかさんによる朗読で、この番組がリメイク、放送され、そして映画として、全国で上映会が開催されています。

広島二中慰霊碑(広島平和記念公園)に刻まれた犠牲者の名前
このリメイク版では、ジャーナリストの池上彰さんが、あの日たまたま体調を崩していて作業に出ず、難を逃れた元生徒や、犠牲になった教師のご遺族を取材する模様も、収録されています。 

生徒321名のうち、広島テレビが取材できた226人の一人ひとりについて、その最期の様子やご遺族の方々の言葉が丁寧に伝えられています。 

本の最後に掲載されている広島テレビのプロデューサーによるあとがきは、以下のような文章で締めくくられています。 

日本にも戦争の時代があって、こんな悲しい出来事がありました。広島の悲劇を二度とくりかえすことのないよう、原水爆兵器をみんななくした、そして平和というものがどんなに大切なことかを、いつも考えたいのです。
みなさんが大きくなったとき、そしてみなさんがお父さんやお母さんになったとき、もう一度、この本をよみかえしてみてください。 

本「いしぶみ」は、我孫子市民図書館に蔵書があります。ぜひ、手にとってみてください。 

映画「いしぶみ」の公式サイトは、以下の通りです。
映画『いしぶみ』公式サイト  http://ishibumi.jp/
全国で開催されている自主上映会のスケジュールは、以下のサイトで紹介されています。
上映会案内  http://ishibumi.jp/jyouei.php 

(我孫子市平和事業推進市民会議  恒)

2017年8月28日

我孫子市 被爆72周年平和祈念式典と「リレー講座の紹介」が開催されました

平和記念碑(手賀沼公園)
  812日、我孫子市の被爆72周年平和祈念式典が、手賀沼公園平和記念碑前で開催されました。
式典は、詩「ピカドン」朗読、黙祷から始まり、我孫子市原爆被爆者の会会長、星野我孫子市長による式辞などの後、今夏広島に派遣された中学生12名の団長をつとめた服部瑠佳くん(布佐中学校2年)から、広島派遣の報告がありました。服部君は、広島での平和記念式典参列、記念資料館見学、被爆者の方の体験講話などを通して多くを学んだということを報告し、これからは派遣中学生の仲間たちとともに派遣で学んだこと、考えたことを、若い世代に伝えていきたいと抱負を述べてくれました。
派遣中学生の報告
式典は、参列者全員による我孫子市平和都市宣言の読上げと献花をもって終了しました。 

式典終了後には、場所をアビスタ1階ホールに移して、歴代派遣中学生が一昨年より取り組んでいるリレー講座の紹介が行われました。
リレー講座が始まった経緯などの紹介、リレー講座講師が小学生向けに行っているリレー講座の模様を実演してくれた後、リレー講座講師たち(派遣中学生OBOG)が一人ひとり、リレー講座に取り組む想いを語ってくれました。

派遣中学生OBOG
続いて、ちょうどこのリレー講座が始まった一昨年に小学校6年生で、初年度のリレー講座を受講した今夏の派遣中学生たちが、受講した立場から、リレー講座への想いを自分たちの言葉で話してくれました。
最後には、リレー講座開始当初より派遣中学生OBOGとともにリレー講座を企画、講師たちにアドバイス、見守ってこられた的山ケイ子さんより、派遣中学生が支えるリレー講座への想いを語っていただきました。的山さんは、ご自身、長崎で胎内被爆された被爆者でいらっしゃいます。

被爆者である的山さん、かつて広島・長崎を訪問し、今はリレー講座を通して小学生たちに原爆や平和について伝えている派遣中学生OBOG、そしてこの夏、広島に派遣されてきた中学生たち。
我孫子で、平和への願いが確かに世代から世代へとリレーされていることを実感できる「リレー講座の紹介」となりました。

平和祈念式典と「リレー講座の紹介」の模様を、動画でご紹介します。
ぜひ、ご覧になってください。 

■平和祈念式典
 
■「リレー講座の紹介」

2017年8月17日

我孫子市の【リレー講座】が、千葉日報で紹介されました

  815日の千葉日報で、我孫子市平和事業の【リレー講座】が紹介されました。(電子版「千葉日報」への掲載は、814日) 

■千葉日報

戦後70周年(2015)の派遣中学生
取材を受けた郡山琴美さんは、中学2年生だった2010年夏に、派遣中学生として広島を訪れました。それから7年、大学3年生の郡山さんは、我孫子市平和事業推進市民会議の中心メンバーのひとり(4月からは副会長)として平和事業に取り組んでいます。また二年前からは、派遣中学生OGとして、【リレー講座】の講師をつとめています。 

2005年から始まった我孫子市から広島・長崎への中学生派遣事業。派遣された中学生は、今年の第13回派遣で、累計120名を数えました。
【リレー講座】の「リレー」は、市内全13校の小学校を一年の間にまわっていくという意味でも「リレー」ですが、被爆体験者の方々の高齢化が進む中で、若い世代(かつての派遣中学生)が、さらに若い世代(小学生たち)につないでいくという意味でこそ、「リレー」となっています。 

千葉日報に掲載された記事は、以下の文章で締めくくられています。 

年々、数を減らしていく被爆者。「みなさん『もう長くは生きられない』と口をそろえる。だから、この先60、70年生きていく私たちがつないでいかないと」。次の70年へ、平和のバトンが託された。 

我孫子市平和事業のリレーが、つながっていきます。私たちは、このリレーをさらにつなげていきます。

2017年8月12日

広島中学生派遣レポート


広島への中学生派遣(85日~7)の様子を、引率者として同行した我孫子市平和事業推進市民会議の寺原正一郎さん(中央学院大学3年生)がレポートしてくれました。以下にご紹介します。
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原爆ドーム前で星野市長、倉部教育長と
私は、2017年度広島派遣中学生の引率者として85日から7日まで参加させて頂きました。私は、小学生の頃、広島に3年間住んでいたので、10年ぶりに思い出の地に行けると最初は軽い気持ちでいました。
ところが、現地に到着するやいなや、広島の中学・高校生がボランティアとして同世代から説明を受け、一生懸命メモをとる様子や、広島平和記念資料館の見学の際には、見て、感じた事を整理する中学生の姿を見て、派遣中学生達の学ぶ意欲の高さに圧倒されました。


被爆体験講話を聴く
私が中学生達と随行して驚いた事は、広島の若い世代の人たちが、原爆ドーム前でボランティアとして県外からきた団体や外国人に広島の原爆の事を説明している姿でした。私が広島に住んでいた当時は小学生という事もあって、ボランティアとしてこういう取り組みがある事は知りませんでした。広島の若い世代の人たちが原爆の恐ろしさや平和の尊さについて伝える姿を見て、広島に縁がある私も我孫子の地で伝えていかなければと勇気を頂きました。

本川小学校で
そして、多くの外国人が広島の地に足を運んでくれている事に日本人として素直に嬉しかったです。自国の事のみならず、他国の歴史を勉強する事が平和に繋がります。
私も含め、中学生達も今後生涯をかけて歴史を勉強して行って欲しいと思います。 

12月に広島派遣中学生がけやきプラザで市民の前で感じたことをご報告します。是非、足を運んでみて下さい。 

拙い文章でしたが、最後までお読み下さりありがとうございました。
 
我孫子市平和事業推進市民会議委員 寺原正一郎

2017年8月2日

今年は、広島平和記念式典に市内中学生12名が派遣されます


派遣中学生と星野市長、倉部教育長
  我孫子市では、2005年(戦後60周年)から、平和事業の一環として、毎年8月に、広島市平和記念式典または長崎市平和祈念式典に、市内の中学生を代表団として派遣しています。昨年までに既に100名余の中学生が広島・長崎に派遣されています。 

今年は、8月5日から7日までの日程で、12名の中学生が広島に派遣されます。
派遣期間中、12名の中学生は、広島の中学生・高校生ボランティアが企画・運営する「8月5日平和事業」に参加するほか、広島平和記念資料館、原爆死没者追悼祈念館などを見学、86日には広島平和記念式典に参列します。その後、我孫子市民の皆さんが折ってくださった千羽鶴を原爆の子の像に奉納し、爆心地に近い袋町小学校と本川小学校の平和記念資料館を見学する予定となっています。

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先輩からのアドバイスを受ける中学生たち
728()、今夏広島に派遣される中学生たちが我孫子市教育委員会に集合して事前学習会を行いました。学習会では、まず、派遣日程の説明を受けた後、派遣団長、副団長を決め、派遣中班行動のグループ分け、宿泊先での部屋割りなどを互いに相談しながら決めました。
その後、かつての派遣中学生で現在は大学生としてリレー講座の講師などもつとめている先輩から、広島を訪問するに向けてのアドバイスを受け、我孫子市被爆者の会の会長である宮田将則さんからは、訪問する広島の街のことや、我孫子市の手賀沼公園にある平和を祈念するモニュメント等と広島との関わりなどのお話を伺いました。
宮田さんのお話を聞く中学生たち
事前学習会後には、中学生とともに広島を訪問される星野我孫子市長、倉部教育長を表敬。市長からは、「広島訪問中はたいへん暑くなります。健康に注意しながら、自分自身でよく見て、よく聴いて、感じたこと、考えたことについてたくさん話し合いましょう」との言葉をいただきました。

広島に派遣される中学生たちによる派遣報告会は、12月3()にけやきプラザふれあいホールで開催されます。派遣報告会に、ご期待ください。

2017年8月1日

原爆関連写真等66点、我孫子市被爆者の会から市に寄贈


毎年8月、アビスタに展示される原爆関連の写真56点、水彩画10点が、我孫子市原爆被爆者の会から我孫子市に寄贈されました。
今月25日に我孫子市役所で寄贈式が行われ、被爆者の会の宮田会長が星野市長に「原爆の悲惨さや恐ろしさを後世に伝えるため、活用してほしい」と訴えました。
寄贈の背景には、これまでこれらの写真や絵を管理してきた被爆者の会会員の高齢化が進んだため、管理が難しくなってきたという事情もあります。
我孫子市では、寄贈された原爆関連の写真と絵を、学校や市民の皆さんにも活用していただけるよう工夫していく予定とのことです。
なお、寄贈された写真等は、今年も87日から21日の間、アビスタで展示されます。 

この寄贈については、新聞各紙も伝えました。